お知らせ

令和元年度の総合学習講座を、早稲田大学准教授の松岡亮二先生をお迎えして開催しました。松岡先生はちくま新書の『教育格差』を6月に出版され、その本は各方面で話題になっています。本講座は、その本の内容を踏まえて本校の生徒向けにアレンジされたものでした。
まず、皆さんは大変恵まれた環境にいること、その環境から今の自分がいることに相関性があること。つまり、環境によっては本校に通えないこともあることを話されました。今現在の日本は、比較的格差のない流動性の高い社会と言われているが、実は戦後から現在に至るまで、緩やかな「身分」社会であることをデータで示されました。そうした現実を知り、恵まれた存在であるからこそ、そのような社会を変えていくために努力することが大切だと説かれました。
そのためにも自分に枠といった制限を設けず何事にもチャレンジすること、そして、様々な他者への共感を通して人間的な成長を実現するために読書体験を重ねることを提案されました。
松岡先生は常にアグレッシブに語られ、演壇の上にほとんどとどまることなしに、会場を歩き回られ、時にユーモアを交え、質問を生徒に投げかけておられました。そうした姿に生徒は引き込まれており、講演時間の70分が短く感じられました。